2020.03.02

ロシアの要素を取り入れたアパレルブランド「BOCTOK」を日本で展開するほか、ロシアの情報発信メディア「AZUBUKA RUSSIA」を運営する現役大学生・松浦瑠希さんインタビュー
「アパレルブランドやメディアの展開を通じて、日本でロシアのことを知っている人を増やしたい」

Today's Guest

松浦瑠希さん

早稲田大学国際教養学部在学。ロシアの要素を取り入れたアパレルブランド「BOCTOK」(ボストーク)を展開し、ECサイトでの販売行っているほか、ロシアの魅力を発信するメディア「AZUBUKA RUSSIA」(アズブカ・ロシア)の運営も行う。関東地方の大学を中心としたインカレサークル「日本ロシア学生交流会」では広報担当を務めた経験を持つ。

(写真:松浦瑠希さん)

日本・ロシアに縁をもつ「人」にスポットを当て、その「人」を紹介、そして「人」を通じて、ロシアの魅力や日本とロシアの関わりなどを、車でドライブするような冒険心を持って発信していく「日ロドライブ」

第10回は早稲田大学国際教養学部に通う現役大学生で、ロシアの要素を取り入れたアパレルブランド「BOCTOK」(ボストーク)を展開し、ECサイトでの販売行っているほか、ロシアの魅力を発信するメディア「AZUBUKA RUSSIA」(アズブカ・ロシア)の運営等をされている松浦瑠希(まつうらりゅうき)さんにお話を伺ってきました。

 

松浦さんは、第8回にインタビューさせていただいた泉谷知輝さんと同じ、関東圏内のインカレサークル「日本ロシア学生交流会」にも所属しており、広報担当を務められていたほか、1年間のロシア留学の経験もある方です。
「BOCTOK」や「AZUBUKA RUSSIA」は、現在ロシア留学中で、YouTuberとしても活動されているオオタシュウジさんと一緒に運営されているそう。
今回は、そんな松浦さんにロシアの魅力やロシアとの交流・事業に興味を持ったきっかけなど、様々なことを語っていただきました。



--今日はよろしくお願いします!さっそくなんですが、まずは松浦さんのプロフィールを教えてください!

こちらこそよろしくお願いします。松浦瑠希(りゅうき)と申します!
あだ名は瑠希をもじって、キュウリって呼ばれています(笑)
大学は早稲田大学に通っていて、国際教養学部の三回生で、日ロ学生交流会にも所属しています。
国際教養学部は、国際というからにはロシアと多少は関係があると思われるかもしれないんですが、ロシア語やロシア文化とはまったく関係のない学部でして、現在はそんな学部で勉強しています(笑)


--キュウリって、キャッチーなあだ名で、めっちゃいいですね!!

はい、大学一年生の頃から、呼ばれ始めたんですが、おっしゃる通りキャッチーなので、みんなに覚えてもらえるのが嬉しいです(笑)



--ロシアに関心を持たれるようになったきっかけはなんだったんでしょうか??

高校時代に、第二外国語の履修がマストで、その際選べる言語が中国語、ドイツ語、フランス語、そしてロシア語の4つだったんです。元々はドイツ語を履修しようと思っていたんですが、父から「日本ではロシア語を習得している人が少ないから、勉強しておけば、将来就職するときに役に立つんじゃないか」と言われたことがきっかけで、ロシア語を履修することになったんですよ。
これがロシアとの出会いですね。
ただ、そういう動機から始めたこともあり、最初はロシアにもロシア語にも全然興味がなくて、高校一年生、二年生のときなんかは、単に「楽に点数が取れる授業」といった認識しかありませんでした(笑)

転機になったのは、高校三年生のときに学校の交流プログラムで、初めてロシアに行き、10日間くらい滞在したことです。
元々、国際交流に興味があったこともあって、その一部という認識で、ロシアにも行ったんですが、そこでロシア人との交流を行っていく内に、ウマが合ったこともあって、ロシアという国に魅力を感じるようになったんですよね。
その交流プログラムで、東京都内でロシア語講師をされている福田知代さんという方と出会って、ロシアに関するイベントにたくさん関わらせてもらうようになったことも、本格的にロシアに興味関心を持つようになったきっかけの一つです。


--元々国際交流に興味があったところから、ロシアに関心を持つようになっていったんですね!

国際交流に興味を持っているのは、母が学生時代に留学経験があって、僕が幼い頃から、その母に、「日本以外にも海外に目を向けて、広い視野を持った方がいいよ」と言われていたことが理由なんです。
なので、他にもオーストラリアや中国などの海外との交流プログラムにも積極的に参加していました。


--ロシアに関心を持つきっかけになった交流プラグラムで印象に残っていることはありますか?

やっぱり、みなさんロシアは寒いっていう印象があると思うんですが、僕が交流プログラムで行ったのはシベリアだったこともあって、イメージ的に、夏でも寒いんじゃないかと思っていたんです。
けど、これが案外普通に暖かったんですよね(笑)
「あ、寒いと思ってたロシアでも、夏はこんなにも暖かいんだ」と感じたのはとても印象的でした(笑)

ほかにも、日本語を勉強しているロシア人との現地での交流も刺激的でしたね。交流プログラムでは、初めにノヴォシビルスクという町を訪問したんですけど、その町は札幌市と姉妹都市ということもあって、町の中に日本語の文化センターがあるんです。そのセンターで、日本語を勉強しているロシア人と交流する機会があって。

それまでは、北方領土などの関係で、日本とロシアの交流はマイナスというか、あまり進んでいないイメージが強かったんですが、実際には文化的な交流がたくさんありますし、ロシア人たちは日本のカルチャーをよく知っていたりして、実際にロシア人と交流してみると、そのギャップがすごく印象的でしたね。



--このときの訪ロをきっかけに松浦さんは「BOCTOK」や「AZUBUKA RUSSIA」を始められたんですか??

いえ、このときはまだ考えてなかったです。
初めての訪ロの後にも、日本で行われているロシア人との交流会に参加するなどはしていたんですが、このときも、どちらかと言えば「楽しいな」っていう気持ちが先行していて、自分で特に何かしたいということは考えてなかったですね(笑)
ロシアに関わる「何か」をしたいなと思うようになったのは、大学二年生の秋から大学三年生の秋までロシア・サンクトペテルブルクに留学していたときです。留学中、現地のロシア人の友だちが、「日本に興味があって、日本で働きたいと思っているけど、金銭的な事情を考えるとなかなか難しい」と言っていたんですが、こうした話を聞く中で、そもそものロシアのイメージを上げることはもちろん、そうした人たちの手助けになるようなことができればと思ったんです。


--なるほど〜。それが「BOCTOK」や「AZUBUKA RUSSIA」に繋がっていった理由はなんだったんですか?

率直に言って、色々とアイデアを考える中で、他の案よりもアパレルやメディアが面白いと感じたことが理由かもしれません(笑)
ちなみに、一緒にロシアに関わる何かしようという話は、僕と同じく日ロ学生交流会に所属している友人で、現在もロシアに留学しているオオタシュウジくんとの間で始まったんです。

最初は二人ともアイデアがなかったので、日本の文献をロシア語に翻訳して、ロシアに持っていくといった案などをはじめ、お互いに様々なアイデア出し合っていました。
そんなときにシュウジくんから、「洋服を作ろう」という案がでて、僕としてもそれはとても面白そうってなって。
これがロシアの要素を取り入れたアパレルブランド「BOCTOK」を始めたきっかけですね。
「AZUBUKA RUSSIA」に関しては、シュウジくんがロシア留学の際にブログを始めると言ったこと、僕が日ロ学生交流会の広報担当として、同会のウェブサイトでブログを書いていたことがきっかけで始めることになりました。
僕もシュウジくんもメディアへの親和性が高かったんですよ。


--そういう経緯だったんですね!では、まず「BOCTOK」についてお伺いしてもいいですか?

はい、「BOCTOK」は、日本でロシアのことをもっと知ってもらって、ロシアの認知度を向上させることをコンセプトにしたアパレルブランドです。
ロシア語に使われているキリル文字をファッションアイテムのロゴなどに使用していて、キリル文字を日常の中に取り入れ、ロシアをもっと身近に感じてほしいとの思いで展開しています。
「BOCTOK」のアイテムは、全般的には、主にロシア国内での生産を行っていて、それを日本に持ち込んだ後、ECサイトで販売しています。

「BOCTOK」という名称はロシア語で、日本語に直訳すると「東」という意味なんですが、初めて宇宙に行ったソ連の宇宙飛行士・ガガーリンが乗っていたロケットの名称でもあるんです。
ブランド名はこのロケットにちなんで名付けているので、「BOCTOK」 のロゴもロケットの形を模しています。
ロゴのロケットの中にある幾何学模様は、証明すると100万ドルもらえると呼ばれているミレニアム懸賞問題の一つで、ロシア人数学者グレゴリー・ペレルマンによって証明されたポアンカレ予想が幾何学と関連する問題だったところから着想を得ています。
日本人をガガーリンに見立てて、未知の世界(ロシア)に連れて行くという思いを込めて、「BOCTOK」という名称に。そして、ミレニアム懸賞問題を解くような数学者がいたり、先端的な科学技術が発展しているにも関わらず、それについて認知が低く、他の分野でも意外と日本では知られていない国・ロシアのことをもっと知ってもらうという意味を込めて、ロゴに幾何学模様を採用しています。

(写真:「BOCTOK」で販売しているアイテム。Tシャツにあるのがロゴ)



--ロゴめっちゃ可愛いですし、オシャレだと思っていたんですが、そんな思いがあったんですね、素敵です!次に「AZUBUKA RUSSIA」についてお聞きしたいんですが、ぜひよろしくお願いします!

ロシア語で「AZUBUKA」というのは、日本語でいう「いろは」という意味でして、「AZUBUKA RUSSIA」は「ロシアのいろは」ということで、ロシアに関する様々な情報を発信できるメディアとして始めました。
当初は多種多様な情報を記事にして、発信していたんですが、最近では、ビザの電子化が進んでいて、日本人にとってロシアへの旅行がより身近に感じられるようになったこともあり、主にロシアに旅行する日本人向けに、観光に関する記事を多めにしていて、これからもそうした記事をメディアの中心に据えていきたいと考えています。
ロシアに旅行に行く際、日本人の視点で観光地や飲食店などについて書いてある記事は旅行者の安心感にも繋がると思いますし、ロシアのレストランは閉店するのが早く移り変わりが激しいので、そうしたことに関する最新情報を日本語で得られるようなメディアとしても価値のあるものにしたいと思っているんですよね。
直近の目標としては、サンクトペテルブルクのレストランや博物館などの観光地を、特にガイドブックなどに掲載されていないものを中心に記事として発信していきたいなと思っています。


--「BOCTOK」や「AZUBUKA RUSSIA」といったものを展開している松浦さんですが、活動を通して感じるロシアの魅力とかってあったりしますか?

そうですね〜、自分的にはすごく「ロシア人」そのものがすごく魅力的だと思っています。
これは実際に留学や様々な交流の中で、自分が直接ロシア人と接してみて思うことなんですが、気性や思考なども含めて、日本人と性格的にすごく合うと思うんですよね。
なので、僕にとっては、ロシアの魅力=ロシア人です(笑)!


--いいですね〜。逆になんですけど、ロシアとの交流で苦労したことなどはありますか?

これは留学中にロシア人と些細なことが原因で喧嘩してしまったことですかね(笑)
ロシア語の会話の中で、冗談のつもりで言った些細な言葉がきっかけで喧嘩になってしまって。
日本的な感性で言うと、ユニークな子に対して、「変わってるね」と言ってしまったような感じです。
ただ、その子も「100の形容詞で自分を褒めろ」って言うくらいの子だったので本当に変わった子だったんですよ(笑)

とはいえ、これに関しては僕にも非があると思っていて、使っているロシア語の語彙の正確なニュアンスを把握しきれていなかったことも原因だと思うんです。ロシアの中でも特にサンクトペテルブルクに住む人たちなどは、自分の使う言葉に気をつけて、大切に言葉を使っている方も多いですし、このことをきっかけに、きちんと語彙のニュアンスを把握して、TPOに合わせた言葉使いをしないとなと感じました。
そういった言葉のニュアンスなどを初めとする文化の違いなどは、あらかじめ学んだり、しっかりと共有していくことが大事だと思っていますね。



--たしかに言葉ってすごく大切てますよね。最後の質問になるんですが、「BOCTOK」や「AZUBUKA RUSSIA」などを含め、松浦さんが今後やっていきたいことなどをぜひ聞かせてください!

「BOCTOK」に関しては、メイドインロシアの洋服が、サンクトペテルブルクに、現在たくさん用意できているので、これをどんどん売り込んでいって、認知度を上げていきたいですね。
また、現在まででも多くの人に「BOCTOK」のアイテムを買っていただいているんですが、これまでは、あまりユーザー側のフィードバックを受けることなく、自分たちが面白いと思うことにどんどんチャレンジしていくことが多かったので、これからはユーザーへのインタビューなどを行うなどして、ユーザーにコミットできるような取り組みも行っていければと考えています。

「AZUBUKA RUSSIA」については、最近あまり記事を更新できていないのですが、「BOCTOK」でロシアを知ってもらい「AZUBUKA RUSSIA」でロシアをより深く知ってもらうという意味でも大切なメディアだと思っているので、僕もシュウジくんも落ち着き次第、更新を再開したいと思っています。
ちなみに、これまで、「AZUBUKA RUSSIA」のようなウェブメディアを続けてきて思ったのは、多様なメディアがネット上で散乱しているよりも一つ、大きなプラットフォームとなるウェブサイトがあって、そこに色々なメディアのリンクが貼ってある方が、自分も含めユーザー的にはすごく使い勝手がいいんじゃないかなということです。
これはロシア関係のウェブメディアにも言えることだと思っていて、大きなプラットフォームを作ることで、利便性の向上だけでなく、ロシアをより知ってもらうことやロシアとの交流に取り組む様々な団体同士の協力体制を築くことにも繋がっていくと思うので。



--今日は本当にありがとうございました!様々な面白い取り組みを詳しく教えていただけて、とても嬉しかったです!「日ロドライブ」としてもプラットフォームの作成などはとても興味があるので、ぜひ一緒に考えさせていただけると嬉しいです!






松浦瑠希さんオオタシュウジさんが運営している「BOCTOK」「AZUBUKA RUSSIA」の情報はこちらから

名称:「BOCTOK」
Web:https://www.vostok-tokyo.com/

名称:「AZUBUKA RUSSIA」
Web:https://azubuka-russia.com/

(「BOCTOK」で販売しているTシャツ。ロシアに生息する「バイカルアザラシ」をモチーフにしている(白))

(「BOCTOK」で販売しているTシャツ。ロシアに生息する「バイカルアザラシ」をモチーフにしている(黒) )
(「BOCTOK」で販売しているトートバッグ。ロシア語で「働くざるもの食うべからず」というユニークな文句が入っている。)






(インタビュアー/山地ひであき)

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