2020.12.15

RouteX Inc.の代表・大森貴之さんインタビュー
「情報の非対称性を無くし、日本・ロシアのスタートアップ企業の交流を促す」

Today's Guest

大森貴之さん

海外渡航歴60カ国、学生時代にシリコンバレー、イスラエル、ロシア等でのインターンや調査を経験。海外のスタートアップ・エコシステムのリサーチを専門とし、世界中のスタートアップのビジネスモデルやテクノロジーの分析を行なっている。ロシアや旧ソ連地域を得意とする。シリコンバレーで毎年開催されるFacebookの最も重要なカンファレンス「F8」にて、2019年度は日本人で唯一「F8 Hackathon」に参加。シリコンバレー発の世界最大のエンジニアとスタートアップのコミュニティFacebook Developer CirclesとAngelHackの日本運営代表を務めている。京都大学MBA (経営学修士) 修了

(写真:大森貴之さん)

 

日本・ロシアに縁をもつ「人」にスポットを当て、その「人」を紹介、そして「人」を通じて、ロシアの魅力や日本とロシアの関わりなどを、車でドライブするような冒険心を持って発信していく「日ロドライブ」

 

第20回のゲストはRouteX Inc.の代表・大森貴之さんです。

RouteX Inc.は東京都内にオフィスのある企業で、ロシアを含め、世界各国の「スタートアップ・エコシステム」に関する調査で得た知見や経験をもとに、国内外のイノベーションを加速する事業をおこなっています。

代表を務めていらっしゃる大森さんは、世界各国のスタートアップに関する専門家であるのみならず、学生時代からロシア経済を学ばれており、ロシアや旧ソ連地域への知見の広い方で、日ロ交流を軸に、ヨーロッパやアジアの国々との交流を目的にした法人「一般社団法人 欧亜創生会議」の副理事長も務めていらっしゃいます。

大森さん及びRouteX Inc.の活動は、幅広かつスケールが大きく、今年9月には、RouteX Inc.が中心となって、「在日ロシア連邦大使館」後援、ロシア連邦国際文化科学協力庁」「モスクワ大学サイエンスパーク」「一般社団法人 欧亜創生会議」の共催で、日ロ間ビジネスの創出と両国の潜在的なマーケットの情報共有を行うことを目的としたオンラインイベント「Japan-Russia Startup Online Conference」を開催するなどもしています。

(※「Japan-Russia Startup Online Conference」に関するRouteX Inc.のイベントレポートはこちらから→https://routexstartups.com/event-report/japan-russia-startup-online-conference-event-report/

 

その他、ロシアや旧ソ連地域を含め、様々な国のスタートアップ・エコシステムに関するリサーチやコンサルティングを行っている大森さん。RouteX inc.の理念やロシアに関心を持ったきっかけ、ロシアのスタートアップの特徴・魅力など、様々なことをお伺いしてきました。

 

Routex Inc.の事業について

--今日はインタビューをお受けして下さってありがとうございます。よろしくお願いします!はじめに自己紹介も兼ねて、現在、大森さんが関わられている事業などについてお聞きしてもよろしいでしょうか?

こちらこそありがとうございます。よろしくお願いします。

今、私が経営しているRouteX Inc.という企業では、海外のスタートアップ・エコシステムのリサーチとそれに関わるコンサルティング業務を行っています。
スタートアップ・エコシステムというのは、起業家が起業した際に、どれだけ周りにサポートしてくれるプレイヤーがいるかどうかを測る指標のようなものです。

例えば、起業した後に、投資家や成功した起業家がメンターとして、企業運営に参画してくれるといったサポートの構造は世界中で広がっています。
そうした構造が、シリコンバレーやヨーロッパなどの有名な地域以外にも、中東だったり、今日のお話のメインであるロシアでも成長しているんです。

しかし、一方で、中東やロシアなどにおけるそういった情報は日本にはあまり伝わってきません。
弊社では、そこをリサーチして、例えば、企業が海外進出される際には、「こういったマーケットもありますよ」と提案して、現地への進出のサポートまでさせていただくといった業務を行っています。

 

--RouteX Inc.さんにお願いすれば、投資家やメンターといったVCの方々にも繋いでくださるんですか?

そうですね。お繋ぎさせていただきます。

 

スタートアップ・エコシステム、ロシアに関心を持ったきっかけ

--安心のサポート体制なんですね!大森さんは、どういった経緯で、そうしたスタートアップ・エコシステムの分野での起業を考えられるようになったんでしょうか?

僕は大学時代、ロシア経済を専門的に学んでいたんですが、ロシア経済を専門にしていると、ロシアの専門家とはいえるけれど、ビジネス(経済)の専門家という認知はされにくいんだな、と当時感じたんです。

このロシアというマーケットをさらに広げていくには、他の切り口が必要だと感じて、その際、スタートアップという分野に気付きました。
そうして、ちょっと特殊なんですが、大学院ではスタートアップ・エコシステムという分野を研究することにしたんです。
特にシリコンバレーを中心に研究していました。

 

--学生時代はロシア経済を専攻されていたんですね!少し学生時代のこともお聞きしたいんですが、なぜロシア経済を専門的に学ばれようと思ったきっかけは何だったんでしょうか?

僕の周りには、自分でビジネスをしている親戚が多かったこともあって、中学生のころから、「起業家になるんだ」と漠然と思っていたので、当時から色んなビジネスを始めては辞めてというのを繰り返して、ビジネスとしての成長性と自分のモチベーションが一致する分野をずっと探していました。

そんな中で、高校時代に、たまたまBRICsに関するニュースを見たんですよ。
当時は、常に起業する分野について考えていたので、「例えば、このBRICsという国の中で、自分が起業するならどの国だろう」と考えてみたんです。
そうして、ロシアについて調べてみると、実はとても親日で、エネルギー大国、さらにITの分野も伸びているという情報があって。
これは、実は日本人があまり知らない部分ですし、親日というところを考えると、一旦ここ(ロシア)にコミットしてみるのも面白いんじゃないかなと感じました。

そういった経緯で、ロシア関係分野に強い大学に進学して、ロシア語というより、ロシア経済を中心に勉強するようになったんです。

 

RouteX Incの理念は「情報の非対称性」を無くすこと

--中学生時代から、ずっと起業家を志してこられた中でのロシアとの出会いだったんですね!そうした流れの中で、大森さんが起業されたRouteX Inc.の理念などについても、お聞きしてよろしいですか?

僕たちRouteX Inc.は「情報の非対称性を無くす」という部分に、特に注力しています。

ロシアについていえば、ものすごく経済的なポテンシャルがあって、かつ日本との関係性をロシア側は積極的に求めている一方、日本人はこうした事実をほとんど知りません。
これは、すごく大きな機会損失を起こしていると思っています。

例えば、ポテンシャルがものすごく高かったにも関わらず、海外進出する際に、シリコンバレーやヨーロッパを選択してしまい、その競合の多さが原因で潰れてしまったような日本企業があったとします。
こうした企業でも、ロシアに進出していれば、大きく成長して、旧ソ連の国々にまでスケールする可能性があったと思うんです。

このような情報の非対称性を無くすことこそが、それぞれのプレイヤーのポテンシャルを最大限に発揮することに繋がると感じていて、そのため、「情報の非対称を無くす」ことを弊社のミッションにしています。

 

--たしかに、情報の非対称性による機会損失は計り知れないものがありそうですね…。ちなみに先ほど旧ソ連というワードがお話に出ましたが、大森さんはロシアだけでなく、旧ソ連の国々に関してもお詳しいんですよね?

正直なところ、元々はロシアにしか興味がなかったんですよ(笑)
海外に行くのもロシアだけで、他の国々については、まったく関心がなかったんです。
けど、よくよく考えると、ロシアをより深く知るためには、ロシア以外の国からロシアを見ることも大事だなと感じるようになって。

そうした中で、例えば、ウクライナやベラルーシといった旧ソ連諸国は、昔からロシアと関係性の深い国々なので、実際に行ってみることにしました。そうして、現地でリサーチなどの活動を進めているうちに、徐々に自分の関心や専門分野の枠が旧ソ連諸国をはじめとする他の国々にも広がっていったんです。

 

--なるほど〜。ロシアへの知識を深めていった結果、他の国々に関する知見も広がっていったんですね。

そうですね。
ロシアの周辺国である旧ソ連諸国というところから、徐々にアメリカ、ヨーロッパにも関心が広がっていったという感じです。

(写真:ロシア経済の中心地「モスクワシティ」のビル群)

 

ロシアのスタートアップの魅力、成長中の分野について

--ここから質問の角度を少し変えようと思うのですが、専門家である大森さんから見たロシアのスタートアップの魅力について教えてください!

そうですね、ロシアのスタートアップの魅力としては、まず一つにスタートアップ・エコシステムが独自の発展を遂げていっていることが挙げられると思います。

例えば、モスクワ近郊にあるスコルコボという都市は、現在もロシア政府主導で開発が進められている都市で、2010年に、イノベーションに特化した都市を作るため、当時のメドベージェフ大統領が大統領勅令を出して、開発が始まった都市なんです。
スコルコボには、多くの研究施設や大学が設置されているのはもちろん、そこで働く職員らの家族のための学校なども全て用意されています。

スコルコボでは、例えば、IOTやバイオテックなどといった、ディープテック系と呼ばれるような領域の研究がかなり成長してきていて、とても面白いんですよ。

(写真:ロシアのイノベーション創出拠点「スコルコボ」)

 

--ロシアでは、政府がスタートアップの支援にとても力を入れているんですね!特に伸びている分野というのはあるんでしょうか?

そうですね、IOTの分野で、特にドローンに関する研究開発はとても進んでいて、農業用や、あまり公には出ていないんですが、軍事用の分野などで、企業向けのドローン製品というのが増えています。
軍事用ドローンの開発に関しては、情報が多く公開されているわけではないんですが、中国やロシア、アメリカなどにおけるスタートアップの一分野として、結構面白いカテゴリーになってきているんですよ。

昨年、参加させていただいたロシア最大のスタートアップイベント「STARTUP VILLAGE」では、かなり大きめの業務用ドローンが開発されていて、各種展示されていました。こうしたことを踏まえると、軍事用ドローンの開発もかなり進んでいるのではないかと予想しています。

また、ほかにも、「IOTの義手」というのも、とても面白い分野だと思っています。
ロシアでは、スマートフォンやその他ITに関連する様々な機能を搭載した義手の開発も進んでいるんですよ。

(写真:「STARTUP VILLAGE」の会場の様子)

 

--え、すごい、ということは義手がスマホのようになるんですか?!

そうなんです。例えば、義手を通じて通話ができたり、義手がクレジットカードになったりするんです。
ロシアでは、このように人間の機能を拡張するような切り口の研究開発が、かなり進められているんですよ。

また、ここまではハードウェアに関するお話でしたが、ソフトウェアに関する分野でも、ロシア人起業家は世界中で活躍していて、例えばGoogleの創業者もそうですし、ブロックチェーンのイーサリアムの考案者も、実はロシア系なんです。
(※Googleの創業者の1人、セルゲイ・ブリン、イーサリアムの考案者ヴィタリッタ・ブテリンともに現在は他国籍)

彼らのように過去に国外に行ってしまった優秀な人材が、国外でものすごく成長しているので、ロシアは、スコルコボを中心にして、そういった人材を頑張って呼び戻そうとしています。これも現在のロシアの一面だと思いますね。

(※「スコルコボ」に関するRouteX Inc.の調査レポートはこちらから→https://routexstartups.com/event-report/russiastartupvillagereport2019/

 

(写真:「STARTUP VILLAGE」のプレスセンターにて。2019年、大森さんはMedia Passを取得して、現地取材を行った)

 

外国人起業家の日本への参入障壁を取り払う

--海外で起業されているロシア人といえば、先ごろ、RouteX Inc.は、ロシア人起業家・ヴォロシオフ・イーゴリさんが日本で起業された(株)LikePayとパートナーシップを結ばれましたよね?(株)LikePayといえば、SNSと連動した決済サービスを提供している企業だと思うんですが、同企業とのパートナーシップの経緯や今後の展望などについてもお聞きしてもいいですか?

(株)LikePayさんとのパートナーシップに関しては、弊社として、まず第一に「日本で活躍している外国人起業家をもっとフューチャーしたい」という思いが前提にあるんです。

本来的に外国で起業すること自体がものすごくハードルが高いことに加え、日本では英語があまり普及しておらず、それらが外国人起業家の日本への参入障壁になっています。
ただ、逆に、これらを取り払うことさえできれば、さらにグローバル化が進むに違いないとも思っていて。

(株)LikePayのイーゴリさんはロシア人起業家ということで、弊社は元々ロシア関係に注力しているという部分で共通項がありましたし、また、外国人として日本で戦われているファウンダーという点で、弊社としてもイーゴリさんから学ぶことはとても多いです。

イーゴリさん自身、他の外国人起業家をサポートしたいという思いや日ロの関係性を深めたいという思いがあったそうなので、「では、パートナーシップを組んで、これから一緒にやっていきましょう」というお話をして、正式にパートナーシップを組ませていただくことになりました。

 

スタートアップの専門家としての知見をフルに生かしたオンラインイベント

--そういった経緯があったんですね〜!これからが楽しみです!その(株)LikePayも参加されていた、RouteX Inc.主催のイベント「Japan-Russia Startup Online Conference」が今年9月に開催されましたよね!その節は「日ロドライブ」編集部のスタッフも参加させていただいて、とても勉強になりました。ありがとうございました。同イベントは在日ロシア連邦大使館のバックアップのもと、開催されたとのことでしたが、このイベントについても、ぜひ経緯や狙いなどについてお聞かせしていただけると嬉しいです!

このイベント開催のきっかけは、僕の大学生時代の話まで遡ります。
日本の外務省後援で毎年行われている「ロシアミッション学生交流事業」(以下、ロシアミッション)というプログラムがあるんですが、僕はその2014年度の学生代表として、ロシアに派遣していただいたことがあったんです。

このプログラムを主催しているのは「一般社団法人 日本JC日ロ友好の会」(※以下、日ロ友好の会)という会で、僕はそこの学生スタッフもしていました。
これらの活動を通じて、ロシア大使館の方だったり、ロシア政府関係者の方との繋がりができたんです。

そうして、日ロ交流やビジネスという括りで、長らく関係を築かせていただいていたところ、たまたま、僕がスタートアップに注力し始めたことと、ロシア大使館側の「今後スタートアップに注力していきたい」という思いがマッチしたので、ロシア大使館側としても初のスタートアップ・カンファレンス「Japan-Russia Startup Online Conference」を、弊社主催で開催するに至ったというのが開催の経緯です。

以前から、日ロ間のビジネスのポテンシャルの高さについては、色々な方とお話ししていたんですが、実際にどの切り口でビジネスを始めるかを考えた際に、例えば、貿易やエネルギーというのは、僕には知見もなく、経験もない分野だったので、全くタッチできないと思っていたんです。

しかし、スタートアップに関しては、RouteX Inc.の事業として成り立っていますし、様々な国に実際に赴いて、現地でのリサーチも行っています。
そのため、スタートアップ・エコシステムの専門家という立場であれば、イベント企画から話を進めることができると思ったので、僕の方からロシア大使館に対して、スタートアップに焦点を当てたイベントのご提案をさせていただきました。

 

「スタートアップ」という切り口で示す存在感

--日ロのスタートアップに焦点を当てたイベントが新鮮で、とても面白かったので、第二回も、ぜひ参加したいです!ちなみに、先ほど「日ロ友好の会の学生スタッフをしていた」というお話が出ましたが、現在、大森さんは「一般社団法人 欧亜創生会議」(※以下、欧亜創生会議)という法人でも、副理事長をされていますよね!

そうですね。現在、僕が副理事長をさせていただいている欧亜創生会議は、ロシアミッションの過去のリーダーたちが集まって設立された社団法人なんですよ。これがちょうど今年の話です。

それまでは、ロシアに関わる政治家の方にインタビューするなどして、学生向けにロシアビジネスに関する情報を発信する雑誌「インスピリッツ」を発行していました。
「インスピリッツ」の活動を5年くらい続けたところ、活動がある程度固まってきたので、次はもっと大きな団体として活動していこうという話になって、欧亜創生会議という法人が設立されたんです。

 

--欧亜創生会議は、ロシアミッションのOBやOGの方々で結成された社団法人だったんですね!ちなみに、欧亜創生会議の活動についても少し教えていただいてもよろしいですか?

欧亜創生会議は日ロ交流を活動の軸にして、ヨーロッパやアジアの様々な国とビジネス交流や文化交流、政治的な交流を行うことを目的にした法人です。

メンバーには、中東やヨーロッパの国々への知見が広い方もいますし、僕に関していえば、最近はアメリカ関係の分野が強くなってきています。そのため、まずはロシアとの関係性を強固にした上で、他の国々との関係性も強化して、次世代の人材を育てていこというような趣旨の法人にもなっています。

欧亜創生会議のメンバーには、ロシア関係全般にとても詳しい方や日ロ交流、ビジネスに関する大先輩がたくさんいらっしゃいます。
そうした中で、僕は学ばせていただくことしかないんですが、副理事長という立場をいただいているのが現状で、正直、欧亜創生会議内での僕のロシアの知見というのは一番下くらいです。

他のメンバーの方々は、ロシアでラジオのパーソナリティをされていた方や商社でロシア関係を専門にビジネスをされている方、モスクワ大学に正規留学された経験をお持ちの方など、日本人なんですが、感覚的に、もうロシア人に近くなってきているような方が多いんですよ(笑)

なので、僕は「ロシア」という切り口ではなく、「スタートアップ」という切り口でロシア関係を担当させていただいています。
また、アメリカやヨーロッパの国々のスタートアップという切り口でも、僕の方が知見が広い部分はあるので、全体的に、主にビジネス担当という立ち位置で活動させていただいていますね。

 

日ロ間のスタートアップの交流を促し、将来的に独自のエコシステムを構築を目指す

--欧亜創生会議の中にはすごい方がたくさんいらっしゃるんですね〜!そういった中で、得意分野に特化して、存在感を発揮している大森さんはやっぱりすごいです。最後の質問になってしまうんですが、今後の日ロのスタートアップ・エコシステムの可能性であったり、どのように連携を強化していくのか、そのあたりについて、大森さんの考える展望をお聞きしてもよろしいでしょうか?

ありがとうございます。
現状、このスタートアップ・エコシステムというのは、都市に紐づいて形成されていると考えていて、東京なら東京、香川なら香川で、様々なプレイヤーが混ざり合って、スタートアップ・エコシステムは形成されています。

国外とのビジネスを行うときは、このスタートアップ・エコシステム同士がぶつかり合う構造になっていると思っていて、それによって、様々な情報が抜け落ちたり、トラブルなどが起きることに繋がっていると思うんです。
しかし、これが都市などのクローズドなネットワーク起点でなく、例えば、「日ロスタートアップ・エコシステム」というような形で、日ロ関係に関わる企業や人だけで構成されるスタートアップ・エコシステムというものを形成できると、これは一つのエコシステムとして機能します。

これによって、さらにビジネスの成功可能性は上がるのではないか、そこに関わる人たちのポテンシャルを最大限に発揮することに繋がるのではないかと考えています。
そうした部分に対してコミットしていきたいというのが、弊社の思いなんです。

分かりやすいところでいうと、例えば、日本のスタートアップ企業で、「これはロシアの方がスケールしそうだな」と感じる企業を見つけると、個別にお声掛けして、ロシア進出を促したり、逆に、ロシアのスタートアップ企業が日本に参入したい場合に、日本側のスタートアップ・エコシステムを紹介して、資金調達の方法やアプローチすべきプレイヤーの提案をするなど、各種サポートをさせていただくといったことが挙げられます。

そのようにして、できるだけ日ロ間のスタートアップの交流を促し、現地における支社の設立などを通じて、独自のエコシステムを構築していけたらと考えています。

 

--ありがとうございます!大森さんのお話を聞いてると、なんだかとてもワクワクしてきますね!質問は以上なんですが、よければ、ロシアとのビジネスや交流に関心のある方や今後関心を持つかもしれない方に一言いただけると嬉しいです!

ありがとうございます。
今までロシアに関わってこられなかった方に特に伝えたいのは、ロシアは日本に対して、とてもウェルカムだということです。

例えば、アメリカやヨーロッパ、その他諸々の国に比べると、ものすごく親日的で、日本人ウェルカムの空気が強いです。
ロシアは閉鎖的で、あんまりフレンドリーでないといったイメージは、あくまでも政府側のイメージだと思っていて、ビジネスに関わる人や一般的な人は、日本人に対して、とてもウェルカムなんですよ。

そういった事実は、実はあまり知られていないだけという部分でもあると思うので、ぜひ色々とロシアに関するチャレンジをしてもらえると、そのポテンシャルの高さに気づいてもらえるんじゃないかと思っています。

 

--ありがとうございます!勉強になることばかりで、終始お話に聞き入ってしまいました。「日ロドライブ」も日ロのスタートアップの連携の一助になれると嬉しいです。頑張ります!今日は本当にありがとうございました。

 

 

大森さんが代表を務めていらっしゃる「RouteX Inc.」、副理事長を務めていらっしゃる「一般社団法人 欧亜創生会議」の情報についてはこちらから

名称:RouteX Inc.
HP:https://routexstartups.com/
〇 六本木本社
住所:東京都港区六本木7-8-6 AXALL ROPPONGI 7階
〇 銀座オフィス
住所:東京都中央区銀座1-8−19 キラリトギンザ11階

 

名称:一般社団法人 欧亜創生会議
住所:神戸市中央区山本通2丁目14番22号
TEL:(078)-894-3318
E-mail:secretariat@europe-ace-asia.com
HP:https://europe-ace-asia.com/

 

 

 

(インタビュアー/山地ひであき)

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