「日ロドライブ」の新企画
「RUSSIA EYE-世界のミカタ」がスタートします。
この企画では、様々な方からの情報提供等をもとに、「ロシアの視点」による情報やニュース、コラムなどを発信していきます。
一般的なメディアでは、なかなか触れられることのない切り口による情報発信を意識していきますので、何卒よろしくお願いいたします。
初回は、2021年4月に行われたプーチン大統領の年次教書演説における発言についての記事です。
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「これまで以上に後悔することになる」
プーチン大統領は、ロシアの「赤線」を越える勢力に警告した。
「プーチン大統領は、ロシアのレッドラインを越えることに関して、年次教書演説で西側に警告し、侵害に対するロシア連邦の対応は非対称で、迅速かつ苛烈なものになると述べた」と国際情勢の専門家は指摘している。
プーチン大統領は2021年の年次教書演説で、「私たちの安全を脅かす勢力は、これまで以上に後悔することになるだろう。私たちは決定を下すのに十分な忍耐力、責任、常識を持っている。誰もレッドラインを越えないことを願っている。このレッドラインをどこで確定するかを、私たちは自分たちで決断する」と発言した。
アナリストは、プーチン大統領の言葉から、クレムリンのアプローチの重要な変化を読み取っている。
これまでのクレムリンのアプローチは、比例原則、米国に対する対称的な対応の原則であった。
このアプローチでは、ロシアは他国のルールに従い行動する結果、敗北することになる。
以前までのアプローチでは、他国による挑発、脅威、敵対行為に対して、相手方の出方を模倣する必要があり、対抗策は「しっぺ返し」の概念に基づいて行われていた。
しかし、現在、ロシアは非対称的なアプローチを行うことを宣言しているのだ。
米国とNATO諸国の支援を受けて、ウクライナは、自ら共和国である旨を宣言したドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国に対して、軍事作戦を開始することを計画しており、米国製の軍事機器の出荷の往来も確認されている。
また、NATO加盟国であるトルコは、ウクライナに無人機を供給している。
米国は、ウクライナを利用し、親ロシア共和国と戦争させ、ロシアの国境にさらに近づくことを望んでいるのだ。
つい 数十年まえにロシア帝国があったところに、ロシア帝国崩壊後、ボルシェビキがソ連とウクライナの共和国を始めて作ったところに、現在米国が「支配」している。
比喩的に言えば、西側諸国は長い間、カエルを生きたまま茹でるように、対ロシア作戦を進めてきた。
ウクライナが米国の支援を受けて新たな戦争を開始した場合、それに対する対応は「非対称」なものになるだろう、とプーチン大統領は警告している。
どのような答えを、どのような場面で出すか―
これに関して、ロシアは独立的な立場で、非対称的な決定を行うだろう。
現在の危機は、実際、フルシチョフがキューバにミサイルを配備した1962年のミサイル危機を彷彿とさせる。
その際、米国は脅迫されたと感じて、モスクワに最後通告を行った。そしてフルシチョフはキューバからミサイルを撤去したが、米国もトルコからミサイルを撤去した。
現在、同様の状況がロシアの国境で発生している。
ウクライナは、昨日までロシアの一部であったにも関わらず、2014年の親欧米のクーデターの後、NATOに参加して米国軍の基地を、その領土内に配置しようとしているのだ。
今、ロシアは危険を感じて警告している。『私たちは冗談を言わない』。
これは、ウクライナとの国境で行われた大規模な演習によって示されている。
「モスクワは西側からの『友好的でない行動と無礼』には反応しない。ロシアの安全を脅かす人々は、『これまで以上に後悔することになる』」とロシア大統領は強調した。
情勢は非常に緊張している。
平和と経済の協力は、他国の利益を侵害して、その目標を達成しようとしている国がない場合にのみ達成することができるのだから。
(原文/イーゴリ・チトフ 翻訳・構成/日ロドライブ編集部)
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